古物商許可申請書の書き方【完全ガイド|個人申請のポイントと注意点】

古物商許可を申請するときに使う「古物商許可申請書(別記様式第1号)」は、どの欄に何を書けばいいか悩みがちです。ここでは申請書の構成や、個人申請で特に注意すべきポイント(行商の有無、取扱区分、代表者/管理者の役割、欠格事由など)をわかりやすくまとめます。

古物商許可申請書とは?

古物商許可を取る際に提出するのが「古物商許可申請書(別記様式第1号その1)」です。
この書式は、警察署の生活安全課や各自治体の公式サイトから入手できます。

申請書は以下のパートで構成されています。

  • 第1号その1(ア):許可の種類、取扱う古物区分、代表者の情報など
  • 第1号その1(イ):代表者等が複数いる場合に記載(個人は通常不要)
  • 第1号その2:主たる営業所の情報、古物区分、管理者情報
  • 第1号その3:他に営業所がある場合に記載
  • 第1号その4:インターネット販売を行う場合のURL

許可の種類:「古物商」と「古物市場主」

申請には2種類あります。

  • 古物商:中古品を仕入れて販売する許可(物販やリユースビジネスに必須)
  • 古物市場主:古物商同士が取引する市場(オークション)を運営する許可

副業で物販を始めるなら、通常は 「古物商」 を選びましょう。


行商(出張買取など)を「する」か「しない」か

申請書には「行商をするかしないか」を記載する欄があります。

  • する:営業所以外(例:お客様宅への出張買取など)でも取引可能
  • しない:営業所内のみで取引

さらに、古物商市場(オークション会場)に参加する場合も「行商する」許可が必要です。
将来的に柔軟な活動を考えるなら、「行商する」で申請しておく方が無難 です。


古物の区分(13種類)

古物は法律上、13のカテゴリーに分けられています。

  1. 美術品類
  2. 衣類
  3. 時計・宝飾品類
  4. 自動車
  5. 自動二輪車・原付
  6. 自転車類
  7. 写真機類
  8. 事務機器類
  9. 機械工具類
  10. 道具類
  11. 皮革・ゴム製品類
  12. 書籍
  13. 金券類

申請書ではまず「主として取り扱う区分」を1つだけ選びます。
ただし、後半の欄で 複数選択 できるため、他に扱いたい品目がある場合も心配不要です。

※「自動車」や「二輪車」は不許可となる可能性が高め。盗難リスクや保管・整備体制の有無なども審査対象となるためです。


代表者と管理者の違い

  • 代表者:古物営業を行う責任者(個人の場合は申請者本人)
  • 管理者:営業所で実際に取引や台帳管理を行う担当者。営業所ごとに1名必須。

個人で営業所が一つなら、代表者=管理者で問題ありません。
ただし、複数営業所を持つ場合は 営業所ごとに管理者を選任 する必要があります。


欠格事由(許可が下りないケース)

代表者・管理者が以下に該当すると許可は出ません。

  • 破産手続開始決定を受け復権していない
  • 禁固以上の刑罰歴がある
  • 暴力団員や関係者
  • 定まった住居がない
  • 過去に古物商許可を取り消された
  • 心身の故障で業務遂行が困難
  • 未成年(法定代理人を立てる場合は例外あり)
  • 管理者を適切に選任できない場合

ただし、復権済みなど事情によっては許可される可能性もあります。


インターネット販売をする場合

申請書にある「電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供する方法を用いるかどうか」という欄について:

  • 独自サイトやストア型アカウント(ヤフオク!ストア等)
     → 「用いる」を選択し、URLを記載。併せてURL使用権限の疎明資料を添付。
  • 個人アカウントでの出品(例:メルカリ、ヤフオク個人出品)
     → 「用いない」を選択、URL記載不要。ただし、アカウントが申請者名義であることを示す資料を求められる場合があります。

基本的には 独自サイトやプラットフォームの“店舗機能”を使う場合にURLが必要 になります。


よくあるQ&A(簡潔に)

Q. 複数区分を扱いたいときは?
A. 申請書の「主として」欄は1つですが、別欄で複数選択可能です。主要区分を1つ選び、追加区分もチェックしましょう。

Q. 行商で申請しておくと何が変わる?
A. 出張買取や古物商市場への参加が可能になります。活動の幅が広がるため将来性を考えると「する」を選ぶ利点が多いです。

Q. 自動車区分は本当に不利?
A. 保管場所や整備・販売体制を厳しくチェックされます。準備が整っていない場合は不許可になりやすいです。


まとめ

古物商許可申請書は「取り扱う古物の範囲」「営業スタイル」「責任者」などを明確にするための重要書類です。
とくに 行商の有無・区分選択・管理者の指定 などは後々影響する部分なので、慎重に記載しましょう。

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