古物営業の世界には「古物商」と「古物市場主」という2つの立場があります。
名前は似ていますが、役割や必要な許可の内容はまったく違うものです。
ここでは、それぞれの違いをわかりやすく整理してみましょう。
1. 古物商とは?
古物商とは、古物(中古品など)を仕入れて販売する人・会社のことです。
- 中古の時計やバッグを買取り、再販売するリサイクルショップ
- 中古車を仕入れて販売する中古車販売店
- 古着やゲーム、家電を売買するネットショップ
こういった事業を営むには 「古物商許可」 を警察署を通じて取得する必要があります。
つまり、商品を売ったり買ったりするプレイヤー が「古物商」です。
2. 古物市場主とは?
一方で 古物市場主(いちばぬし) は、古物商同士が売買をする「古物市場(交換会やオークション会場)」を運営する立場の人を指します。
- 中古車のオークション会場を運営する会社
- 古物商限定のブランド品交換会を主催する団体
これらの運営者は、古物商とは別の許可である 「古物市場主許可」 を取得しなければなりません。
つまり、売る人や買う人の場を提供する人 が「古物市場主」です。
3. 古物商と古物市場主の違いをまとめると
項目 | 古物商 | 古物市場主 |
---|---|---|
主な役割 | 古物を仕入れて販売する | 古物商同士が売買する場を運営する |
必要な許可 | 古物商許可 | 古物市場主許可 |
例 | リサイクルショップ、ネット中古販売 | 中古車オークション会場、ブランド品交換会 |
4. よくある勘違い
- 古物市場主の許可がないと中古品を売れない → 誤り
中古品を売るだけなら「古物商許可」で十分です。 - 古物商許可を持っていれば市場を運営できる → 誤り
市場を運営するには「古物市場主許可」が必要です。
まとめ
- 古物商 → 中古品を取引する人
- 古物市場主 → 取引の場を提供する人
あなたが中古品を売りたいのか、それとも市場を開きたいのかによって取得すべき許可は変わります。
初心者の方はまず「自分は物を売るのか? それとも売買の場を運営するのか?」を考えることから始めましょう。
次の記事では、実際に「古物商許可」を取るときの流れについてもご紹介していきます。