人口減少に伴う労働人口も減っているのは今や誰もが知る厳然とした事実です。中には人材確保が思うように進まず、頭を抱えている担当者さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
国としても労働力の確保の観点から海外からの人材受け入れの政策をすすめており、その成果もあってか色々なシーンで外国人労働者の姿を街のあちこちで見るようになったように思います。一方で「外国人労働者=安い労働力」といった間違った認識が世の中一般から払拭できているとは言えず、外国人受け入れの政策的な体制は整いつつも、その周知、理解が進んでいないのが現状です。
外国人受け入れには入管法で定められた様々なルールに沿って行わなければならず、面倒だと思ってしまいがちですが、好むと好まざるとにかかわらず外国人労働者の存在は今後ますます重要性を増していくことでしょう。ここでは簡単に外国人が正社員として働く場合に必要なコトガラを見ていきます。既に雇用されている企業さまはもちろん、今後雇用を検討されている企業様の一助となればと思います。
働けるのか、働けないのか?在留カードのここをチェック!!!
外国籍の方が日本で収入を伴う仕事に就くことができるか、雇うことができるかは在留カードを見ればわかります。在留資格が何かを確認するわけですが、いわゆる「技人国(技術・人文知識・国際業務)」であれば仕事は可能です。ただ、在留資格が「技人国」になっている方はどこかの会社に雇用されていたということが考えられ、転職か退職した上での再就職の活動をされていることになります。もともとその在留資格は前職で働くことを前提に審査され許可されたことを表すものなので、はたして転職後の仕事にも対応できるものなのかが問題になります。
「技人国」の在留資格を持っている方が転職する場合、前職と業務内容が同一分野内であれば通常は問題ないでしょう。(但しこの場合でも所属機関変更の届け出は必要です。転職後14日以内に提出要。)しかし、業務内容や職種が変わる場合は注意が必要です。
通常「技人国」の在留資格は雇用される企業での職務内容と雇用される外国人の勉強してきた内容やスキル等を総合的に審査し、入管が問題ないと判断したら許可されるものです。したがって、転職したら厳密には審査の上で許可された状態と違う状況で就労することになるので在留カードの更新のときに更新不許可となることもありえます。
せっかくコストをかけて教育したとしても更新が認められず帰国を余儀なくされるなどの事態を避けるためにも転職した外国人は事前に『就労資格証明書』を取得しておくべきです。
外国籍の方が日本で仕事をするためには法務大臣の許可が必要です。申請は出入国管理局にすることになります。大きく3つに分けることができ、①技術・人文知識・国際業務、②特定技能、③資格外活動が挙げられます。(ここでは技能実習生については触れません。)
技術・人文知識・国際業務
技人国と略されることが多い在留資格。「技術・人文知識・国際業」というのが正しい表記です。一定の学歴要件があり、専門性を有する業務に従事する場合に必要となる在留資格です。
特定技能
特定技能は現業が可能な在留資格。基本的に、N3以上の日本語能力試験の合格が必要。(業種によってはN4。)で、さらに各特定技能業種の試験に合格する必要があります。
加えて、受入機関となる就職先企業が受け入れ態勢、特定技能外国人の支援体制が整えていることが求められます。なお、支援については外部(登録支援機関)に委託することができます。
こちらは技人国とは違い、いわゆる現場での仕事(工場のライン、飲食店や飲食店での接客等)に就くことが可能です。
資格外活動
留学や、家族滞在などの在留資格は就労が認められていませんが、資格外活動許可を得ることで、週に28時間以内の就労が可能になります。