日本では人口減少に伴い労働人口も減少していることは、今や広く知られた厳然たる事実です。人材確保が思うように進まず、頭を抱えている担当者の方も少なくないのではないでしょうか。
国としても労働力確保の観点から外国人材の受け入れを積極的に進めており、その成果もあって、街のさまざまな場面で外国人労働者の姿を見かける機会が確実に増えています。一方で、「外国人労働者=安価な労働力」といった誤った認識が完全に払拭されているとは言えず、受け入れ制度は整備されつつあるものの、その理解や周知がまだ十分に進んでいないのが現状です。
外国人材の受け入れには、入管法で定められた多くのルールを遵守する必要があり、煩雑だと感じられがちです。しかし、今後の労働市場を考えると、外国人労働者の存在はますます重要性を増していくことは間違いありません。ここでは、外国人が正社員として就労する際に押さえておくべき基本事項について簡潔にまとめました。すでに外国人材を雇用している企業様はもちろん、今後受け入れを検討されている企業様の参考になれば幸いです。
■ 働ける?働けない?在留カードのここを確認!
外国籍の方が日本で収入を伴う仕事に就くことができるかどうか、また企業が雇用できるかどうかは、在留カードの在留資格を確認することで判断できます。
いわゆる「技人国(技術・人文知識・国際業務)」であれば就労は可能です。ただし、この資格で在留している方は、何らかの企業に就職していたことが前提となるため、転職活動中、あるいは退職後の状態にあると考えられます。本来この資格は「前職での職務内容」を前提に審査・許可されたものですので、転職後の業務が前職と異なる場合には注意が必要です。
「技人国」保持者が転職する際、前職と同じ分野の業務であれば一般的には問題ありません。(※所属機関変更届を転職後14日以内に提出する必要があります。)
一方、業務内容や職種が変わる場合には、専門性の整合性などの観点から、在留資格の更新時に不許可となる可能性もあります。
企業としても、せっかく育成した人材が更新不許可によって帰国せざるを得なくなる事態は避けたいところです。そのため、転職した外国人本人は就労資格証明書の取得、または在留資格変更申請を行っておくことが望ましいといえます。
■ 外国人が働くために必要な主な在留資格
外国籍の方が日本で働くためには、法務大臣の許可が必要であり、出入国在留管理局で手続きを行います。主に以下の3つに分類されます(技能実習はここでは割愛します)。
● 技術・人文知識・国際業務(いわゆる「技人国」)
専門的な知識やスキルを要する業務に従事するための在留資格で、一定の学歴要件があります。事務、エンジニア、通訳、マーケティングなど、多様なホワイトカラー職種が該当します。
● 特定技能
いわゆる現業(現場)職種での就労が可能な在留資格です。
日本語能力試験N3以上(業種によりN4)に加え、各分野ごとの技能試験に合格する必要があります。
受け入れ企業には、特定技能外国人への支援体制の整備が求められますが、登録支援機関に委託することも可能です。
● 資格外活動
留学や家族滞在などの在留資格を持つ方は原則として就労不可ですが、資格外活動許可を取得すれば週28時間以内でアルバイト等が可能となります。
■ 迷ったら専門家へご相談を
外国人材の採用にあたり、在留資格の可否や運用について少しでも不安がある場合は、専門家へ相談することを強くおすすめします。
当事務所でも在留資格に関するご相談を承っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。