中古品販売をネットで始めたい!という方にとって、メルカリやヤフオク、楽天市場などは非常に便利な販売チャネルです。しかし「古物営業法」に基づく許可やルールを守らなければ、思わぬトラブルや罰則に繋がる可能性があります。この記事では、古物商許可を持つ方がネット販売を行う際の注意点をまとめます。
ネット販売に古物商許可は必要?
結論から言うと、中古品を仕入れて販売する場合はネット販売であっても古物商許可が必要です。ヤフオクやメルカリなどのフリマアプリも対象になります。自宅の不用品をたまに売る程度なら不要ですが、仕入れて反復継続して売る行為=古物営業とみなされます。
出店形態ごとの注意点
1. ヤフオク!ストア
- 古物商許可証の提示が必須
- 出店契約書や審査の際に許可番号を提出する必要あり
- 出品ページに「古物商許可番号」の記載義務
2. 楽天市場・Yahoo!ショッピングなどのモール型EC
- 出店審査で古物商許可証の写し提出が必要
- 名義(申請者)と出店者情報が一致していなければならない
- カテゴリや取扱商品によっては追加審査が行われることも
3. メルカリShops
- 古物営業に該当する場合、許可証の提示・審査がある
- 個人アカウントでは不要に見えても、仕入販売するなら必須
- 利用規約で「法令遵守」が明記されているため、違反が発覚するとアカウント停止リスクあり
4. 個人アカウント(メルカリ・ヤフオク個人出品)
- 自宅の不用品販売なら古物商許可は不要
- しかし、仕入れて販売すると「古物営業」とみなされ違法
- アカウント停止や通報リスクが高いので要注意
ネット販売ならではの注意点
1. 古物商許可番号の表示
出品ページやショップ情報に古物商許可番号を記載することが求められます。消費者への安心感にもつながります。
2. URL使用権限の証明
独自サイトやストア出店の場合、申請時に「このURLを自分が使用できる権限がある」ことを証明する書類が必要です。例:
- ドメインの契約書
- 管理画面キャプチャ
- 出店契約書
3. 禁止商品の出品
- 偽物や盗品は当然NG
- 法律で販売禁止されているもの(医薬品、銃刀類、児童ポルノ等)
- サイトごとの禁止物(メルカリでは現金や領収書など)にも注意
4. 記録義務
古物営業では、取引相手や品物の記録を帳簿に残す義務があります。ネット販売でも例外ではありません。
- 取引日・相手・品目・価格
- 電子データやExcelでの管理も可能
無許可でネット販売をしたらどうなる?
古物商許可を取らずに中古品を仕入れて販売した場合、無許可営業として刑事罰の対象となります。
- 3年以下の懲役または100万円以下の罰金
- ネットショップ閉鎖、アカウント停止
- 信用失墜
「バレないだろう」と思っても、購入者の通報やプラットフォーム運営側のチェックで発覚することがあります。
まとめ
ネット販売は手軽に始められますが、古物商許可を取らずに仕入販売をするとリスクが非常に高いです。安心して長く続けるためには:
- 古物商許可を取得する
- 古物商番号を正しく表示する
- URL使用権限など申請書類を整える
- 記録義務や禁止商品のルールを守る
これらを徹底することが大切です。せっかく始めたビジネスを途中で失敗しないためにも、法律を理解し、正しく運営していきましょう。